水泳用イヤホンに、長年ある「割り切り」が求められてきました。プールで使うなら水深に耐える防水性と内蔵ストレージが必要で、Bluetooth接続は水中では使えない。だからジムやプールで泳ぐ用、ランニング用を別々に用意するか、そもそも水泳中の音楽を諦めるかのどちらかでした。

Shokzが2024年5月に発売したOpenSwim Proは、その「どちらか」という選択をなくすために作られた製品です。プール外ではスマホとBluetooth接続して普通のイヤホンとして使い、水に入ったらMP3モードに切り替えて内蔵ストレージの音楽を再生する。初代OpenSwimがBluetooth非搭載だったことを考えると、これはスイマー向け骨伝導イヤホンの一つの完成形と言えます。

【結論】OpenSwim Proはこんな人におすすめ

  • 水泳(プール・海・トライアスロン)中に音楽を聴きたい
  • 水泳もランニングも1台で済ませたい
  • 防水性能を絶対的に信頼したい(IP68)
  • イヤホンを耳に入れずに使いたい
  • 急速充電で手軽に運用したい
実売価格は21,000円台からと決して安くはありませんが、水泳用+陸上用を別々に買う必要がなくなることを考えると、トライアスリートや日常的にプールに通う方には非常に合理的な選択です。

Shokz OpenSwim Proの基本スペック

項目仕様
方式骨伝導(PremiumPitch 2.0+)
Bluetooth5.4
対応コーデックSBC / AAC
内蔵ストレージ32GB
対応ファイル形式MP3 / WMA / FLAC / WAV / AAC / M4A / APE
防水規格IP68(水深2m・2時間)
バッテリー(Bluetoothモード)最大9時間
バッテリー(MP3モード)最大6時間
急速充電10分充電で約3時間再生
フル充電時間約90分
重量27.3g
最大出力105dB
発売日2024年5月10日
定価25,880円(税込)
実売価格目安21,000円台〜
32GBのストレージ容量は、圧縮されたMP3であれば数百〜1,000曲以上を収録できます。初代OpenSwimが4GBだったことと比べると8倍の容量増加で、プレイリスト管理の自由度が大幅に上がっています。

OpenSwim Proが生まれた背景

2022年に登場した初代OpenSwimは「水泳用骨伝導」の先駆けとして高い評価を受けましたが、決定的な制限がありました。Bluetoothを持たないMP3専用機だったため、プール以外での使用には向かず、陸上の移動中にはランニング用の別のイヤホンが必要でした。

「水泳だけのための高額デバイス」という割り切りを強いられるのは、トライアスリートや毎日プールに通うスイマー以外には少しハードルが高かった。そこにOpenSwim Proが出した答えが「ハイブリッドモード」——陸上ではBluetoothで、水中ではMP3で使い分けられる1台の端末です。

OpenSwim Proの3つの注目ポイント

1. IP68防水——水深2mで2時間の信頼性

一般的なスポーツイヤホンの防水規格はIPX5〜IPX7が多く、IPX7でも水深1mで30分程度が限界です。OpenSwim ProのIP68は水深2mで2時間の使用に耐えるレベルで、プールでのガチな泳ぎでも心配がいりません。

防塵性能の「IP6X」も含むため、砂浜・砂埃の多い環境でも問題なく使用できます。トライアスロンのスイム→バイク→ランを通じて1台で対応できる耐久性は、本機の最大の実用的強みです。

水中ではBluetoothが機能しない(電波が水で遮断される)ため、自動的にMP3モードに切り替わる設計になっています。プールに飛び込む前に特別な操作は必要なく、スマホとペアリング解除する手間もありません。

2. 32GBストレージ——プールに持ち込めるライブラリ

初代OpenSwimの4GBから大幅に拡張された32GBは、FLAC形式のロスレス音源でも500曲前後を収録できます。約1分で225曲のMP3を転送できるという速度も実用的で、「プールに行く前にプレイリストを更新する」という運用が苦にならない設計です。

ただし注意点として、Apple Lossless(ALAC)形式の.m4aファイルは非対応です。iPhoneの「ミュージック」アプリからエクスポートした音楽ファイルは形式の確認が必要で、MP3やAACに変換してから転送する手順が発生することがあります。

3. 急速充電——10分で3時間再生

「充電を忘れた」という状況でも、10分のUSB-C充電で約3時間の再生が可能です。フル充電でもBluetoothモードで9時間持つため、1日ガンガン使っても充電は1回で済みます。週に数回プールに通うスイマーであれば、充電の頻度は週1回程度で収まるでしょう。

実際の使用感

骨伝導イヤホン共通の特性として、音楽は耳の外側・こめかみ付近のユニットから振動として伝わります。耳穴に何も入れないため、イヤホンを付けながら会話や周囲の音がそのまま聞こえます。

水中での音質は特殊で、付属の耳栓を装着すると「音が頭の中から鳴り広がるような」独特の体験になります。地上での骨伝導の聞こえ方とは異なり、水中音響に最適化された設計です。耳栓なしでも聴けますが、音質・音量ともに耳栓ありのほうが向上します。

陸上(Bluetoothモード)での音質は骨伝導らしい中高音中心の傾向で、低音の迫力は密閉型カナルイヤホンには及びません。ランニング中に自然な環境音と音楽を両立するには十分ですが、低音重視で音楽を楽しみたい場合はオープンイヤー型全般が向いていません。

実際の口コミ・評価

ポジティブな口コミ

IP68の防水性能を信頼して本格的なスイムトレーニングで使っているという評価が多く、「プールでも屋外のランニングでも1台で対応できるようになった」という使い勝手の改善を評価するレビューが目立ちます。

急速充電の実用性を高く評価する声も多く、「練習前に10分だけ充電しておけば十分使える」という点が、運用の手軽さとして好評です。陸上走行中のMP3再生(スマホなしで使う場面)についても安定した動作が確認されています。

気になる口コミ

MP3モードにシャッフル再生機能がないことを指摘する声があります。毎回同じ順番で曲が再生されるため、長期間使用していると飽きやすいという弱点があります。また最小音量でも静かな環境では大きすぎると感じるケース、自転車での高速走行時(30km/h以上)に風切り音で音楽が聞こえにくくなるといったコメントも見られます。

水中での使用については、プールによっては施設のルールとしてイヤホン類が禁止されているケースがあるため、初回利用前に施設のルール確認が推奨されます。

総評: スイマー向けイヤホンとして長年の弱点だった「Bluetoothなし」を解消し、陸上でも使い物になるハイブリッド機になったことが、多くのユーザーに高く評価されています。

メリット・デメリット

メリット ✅

  • IP68の絶対的な防水性 — プール・海・シャワーを問わない安心感
  • Bluetooth×MP3のハイブリッド — 水中・陸上を1台でカバー
  • 32GBの大容量 — プレイリスト管理が実用的なレベルに向上
  • 急速充電 — 10分で3時間、フルで9時間の安心感
  • 27.3gの軽量設計 — 長時間装着でも疲れにくい
  • 耳穴をふさがない — 周囲の安全確認が必要な屋外スポーツに向いている

デメリット ❌

  • 低音は物足りない — 骨伝導の構造上、重低音は弱め
  • MP3のシャッフルなし — 長期利用で曲の順番が固定される問題
  • Apple Lossless非対応 — iPhoneユーザーは変換作業が必要な場合がある
  • コーデックはSBC/AACのみ — LDAC・aptX等には非対応
  • 音漏れがある — 骨伝導の特性上、静かな場所では周囲に聞こえる
  • 一部プールで使用禁止 — 施設ルールの事前確認が必要

初代OpenSwimとの比較

項目初代 OpenSwimOpenSwim Pro
BluetoothなしBT 5.4(SBC/AAC)
ストレージ4GB32GB
バッテリー8時間(MP3のみ)BT:9h / MP3:6h
急速充電なしあり(10分→3時間)
マイク・通話なしあり
重量30g27.3g
定価21,880円25,880円
初代を持っている方にとっても、Bluetoothと32GBストレージという2つの大きな追加機能は明確なアップグレード理由になります。

他製品との比較

製品防水BTストレージバッテリー定価おすすめ対象
OpenSwim ProIP68BT5.432GB9h/6h25,880円水泳×陸上兼用
初代 OpenSwimIPX8なし4GB8h21,880円水泳専用でいい方
Shokz OpenRun Pro 2IP55BT5.4なし12.5h25,880円陸上スポーツ専用
SONY NW-WS413IPX5/8なし4GB12h11,000円台低価格の水泳用

こんな方は別モデルを検討して

  • 水泳は全くしない・陸上スポーツのみ → Shokz OpenRun Pro 2(より長いバッテリー・軽量)
  • とにかく安く水泳用イヤホンが欲しい → 初代OpenSwimやSONY NW-WS413
  • 音質にこだわりたい(LDAC等) → オープンイヤー型(Soundcore AeroFit 2など)
  • 完全ワイヤレスで骨伝導が使いたい → radius HP-B100BT(ただし防水はIPX4)

まとめ|OpenSwim Proは「水陸両用1台」を実現した新定番

  • 初代の最大の弱点「Bluetooth非搭載」を解消した完成形モデル
  • IP68防水・32GB・急速充電と、スイマーが求めるスペックを網羅
  • 定価25,880円、実売21,000円台はスイム専用+陸上用の2台購入と比べて合理的
  • 音楽の楽しみ方として低音より「ながら聴き・安全確認」を重視する方に最適
プールに毎週通っていて、「いつかプールでも音楽が聴けたら」と思っていた方にとって、これは真剣に検討する価値のある製品です。泳ぎながら好きな音楽が聴こえてくる体験は、いつものルーティンが少し特別になる感覚があります。
価格・スペック・口コミは2026年4月時点の情報をもとにしています。最新の価格はリンク先でご確認ください。