峠/中部
薩埵峠(さったとうげ)
東海道屈指の難所として知られ、歌川広重『東海道五十三次』由比宿で富士と駿河湾の景観が描かれた峠。中世には合戦地・断崖からの遭難多発地として記録される。
静岡県静岡市清水区にある旧東海道の難所。
標高約100mの断崖が駿河湾に迫り、由比宿と興津宿の間を繋ぐ要衝として機能した。
歌川広重『東海道五十三次』の代表作のひとつ『由比宿 薩埵嶺』はこの峠から富士山と駿河湾を望む景観を描いている。
中世には『薩埵山合戦』(1351年・1454年・1568年)など複数の合戦の舞台となり、戦死者の慰霊碑が点在する。
江戸期は崖沿いの険路で旅人の遭難・滑落事故も多く、地域には峠の難所伝承が残る。
現在は峠遊歩道(薩埵峠ハイキングコース)として整備されているが、海側の崖は依然として急峻で、夜間や悪天候時の通行は危険。
【沿革・年表】
中世以来の東西交通の要衝。
複数の合戦地で戦死者多数。
江戸期に東海道として整備、明治以降は鉄道・国道で迂回されたが旧道が遊歩道として残る。
- 1351薩埵山合戦(観応の擾乱)、足利尊氏軍と直義軍の衝突
- 1454享徳の乱の余波で合戦
- 1568武田信玄と今川氏真の薩埵峠の戦い
- 1601江戸幕府により東海道の宿駅整備、由比宿・興津宿の間の難所として記録
- 1830頃歌川広重『東海道五十三次』に描写
- 1889東海道線開通で峠越え旅は減少、海側を鉄道が通る
- 現代峠遊歩道(薩埵峠ハイキングコース)として整備
【現象録】
- 峠の頂上付近で霧が出た日に、武装した人影のような影を見たとの登山者証言
- 崖側展望台で晴天無風時にも一帯だけ寒気を感じるとの体感
- 夜明け前の遊歩道で蹄のような乾いた音を聞いたとの古老の話
【所在・交通】
- 住所
- 静岡県静岡市清水区由比西倉澤〜興津東町(薩埵峠展望台) [地図]
- 交通
- JR東海道本線『由比駅』から徒歩約30分/『興津駅』から徒歩約40分
- 現況
- ハイキングコースとして整備。展望台あり。崖側は急峻、夜間立入推奨せず。
- 訪問覚書
- 日中の晴天時推奨。雨天・夜間の単独行は危険。富士見の絶景ポイントとして観光地化。
【民俗・伝承】
東海道の難所として中世から旅人が苦労した場所で、合戦・遭難の伝承が多く残る。
広重画の『由比宿』により近代以降は富士見の代表景観として全国的に知られた。
関連地東海道五十三次、歌川広重、薩埵山合戦、由比宿、興津宿
典拠東海道宿村大概帳、静岡県史、広重と東海道
【参考文献】
- 古典東海道五十三次 - 広重
- 自治体史静岡県史
- Web薩埵峠 - Wikipedia
⚠ WARNING
- 崖側の急峻箇所は転落の危険あり。柵の外に出ない。
- 夜間・悪天候時の通行は推奨しない。
- ハイキング装備で訪問。サンダル・革靴は不適。
最終更新:2026-05-04